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疑惑の弾痕①-金武町流弾事件

2009-04-07 07:08

 やっぱり予想通りだ。

 今朝(7日)の沖縄タイムス記事のことである。

 米軍車両によるひき逃げ事件を三日連続で大きく報じている一方、金武町の流れ弾事件は完全に紙面から消えて一行の記述も無い。

 疑惑の弾痕か・・・。

2009年04月06日 沖縄タイムス [大弦小弦]

・・・・▼「活字離れ」「新聞離れ」と言われて久しい。しかし、読者が新聞から距離を置く以上に新聞が読者から遠ざかっていないか。知的好奇心や欲求を満たす紙面、読みたい新聞を作っているか。紙面編集の作業のたび、自問自答する▼テレビやインターネットが流す膨大な情報に多くの人が頼る時代でも、新聞に期待する声はなお多い。ひと目でニュース価値が分かることや記録性などへの評価だ▼6日は「新聞をヨム日」。本紙の主な面に今年も「新聞と私」のコーナーを設けた。その中で、新沖縄文学賞受賞者の松原栄さんは「情報がたくさんある中で、落ち着いて読み、考えることは大事」と新聞のよさを述べている▼きょうから「春の新聞週間」が始まった。多くの読者の意見と向き合い、伝えるべき言葉を持ち続ける努力を惜しまず、読者の欲求に応えたい。(平良哲)

 沖縄タイムスは、夕刊廃止という窮地に陥っても、読者の「新聞離れ」の本当の理由をまだ理解していないようだ。

 理由はただ一つ。

 ネットの普及により、新聞のウソ記事に読者が気がつき始めたことだ。

 従って読者の「新聞離れ」を最小限に止めておこうと思えば、単純なことを実行すればよい。

 ウソの記事を書かないことだ。

 記者といえども人の子であるから、不注意などによる事実誤認のウソ記事なら読者はある程度は許容する。

 だが、意図的なウソ記事には我慢が出来ない。

 沖縄タイムスの最近のウソ記事の例に挙げると、号外を発行するような事件に確信犯的ウソ記事が多いのが特徴である。

 2007年の「11万人」集会では「11万人」というウソ記事を全国にばら撒いた。

 2008年の「米兵女子中学生暴行事件」では、不良米兵と不良女子中学生との「ナンパ・トラブル」を強姦事件と報じたし、米兵とフィリピン売春婦とのトラブルも「強姦事件」と報じた。

 昨年12月に起きた「米軍流れ弾事件」も、当初の号外発表するほどの大々的報道に比べて、最近の沖縄タイムスの腰が引けた報道を見ると「疑惑の弾痕」ではないかという疑念が生じてくる。

 ■沖縄紙の紙面から消えた「疑惑の弾痕」

 米軍が起こした事件や事故の中でも、民家に演習中の流れ弾が撃ち込まれた事件は、基地反対のプロ市民でなくとも、重大且深刻な事件である。

 昨年の12月に米軍の実弾訓練地域に隣接する金武町伊芸区の民家に実弾が撃ち込まれた事件は、マスコミの扇動的なキャンペーン記事とプロ市民の執拗な抗議運動にもかかわらず四ヶ月にも渡る調査団の調査結果は、「銃弾は米軍使用のものだが、撃ち込んだのは米軍ではない」という結論で収束しようとしている。

 つまり米軍は流れ弾は米軍使用の銃弾と認めていながら、その一方で撃ち込んだ下手人は「知らぬ存ぜぬ」としらばくれていることになる。

 沖縄タイムスは、この事件に関し、紙面から完全に消えてしまった。

 米軍の事故なら些細な交通事故でも針小棒大に報道するのがこれまでの沖縄紙の慣わしではなかったのか。

 沖縄紙にとってこんなオイシイ事件なら、県議会や各市町村会議で講義決議するように扇動する大キャンペーンを張るのが常套ではなかったのか。

 にもかかわらず4月2日以来の沖縄タイムスは、北朝鮮のミサイル発射記事はともかく、連日米艦船の寄港反対、外人ナンバー車のひき逃げ事故を連日大々的に報じて、流れ弾事件は一行の記載も無い。

 轢き逃げ事件が重要でないわけではないが、連日起きている交通事故の中のひき逃げ事件は悪質ではあるとしても、民家を襲った流れ弾事件を差し置くほど重大事件なのか。 

沖縄タイムス

◆Yナンバー 3人ひき逃げ 那覇松山【2009年04月05日】
金武で類似車発見
 4日午前6時ごろ、那覇市の松山交差点で、国道58号を久茂地方面から進行してきたYナンバーの普通乗用車が横断歩道を歩いていた男性2人、女性1人の計3人をはねて逃走した。那覇市の女性(23)が左大腿骨と左腕を骨折する重傷。八重瀬町の男性(22)は左ほお骨折と全身打撲、浦添市の男性(23)が左股関節にひびが入った疑いと全身打撲などのけがを負った。
那覇署によると、車両は黒っぽい普通乗用車で、泊方面に逃走。同日午後、金武町でフロントガラスが割れた類似車両が見つかった。目撃者によると、車は金武町の米軍演習場キャンプ・ハンセンに近い飲食街の一角に乗り捨てられていた。血痕や頭髪などが付着していたという。同署が鑑識作業を進めている。米軍基地関係者の可能性もあるとして米軍にも照会し、ひき逃げ事件として捜査している。(略)

◆蛇行後急発進し逃走 Yナンバーひき逃げ/目撃者「爆発のような音」【2009年04月06日】

 さて、「米軍流れ弾事件」に話を戻そう。

 米軍の実弾訓練所の近くに位置する金武町伊芸区。

 その伊芸区の民家の駐車場に停車中の自家用車のナンバープレイトに実弾が撃ち込まれた。 しかも調査の結果、その銃弾は米軍使用のものという。

 これだけの状況証拠が揃えば誰だって犯人は米軍だと思う。

 かくいう筆者も事件が起きた当時は、犯人は米軍だろうと考えたので、早めに責任者が被害社宅に赴いて謝罪と賠償をしておくべきと考えた。 さもなくば問題がこじれてしまうと考えたからだ。

 昨年の12月事件が発生して以来およそ四ヶ月経過し、事態は思わぬ方向に進展していった。

 民家に訓練中の米軍の銃弾が撃ち込まれるという衝撃的な事件に、地元紙は例によって大騒ぎで、ウェブ記事はネット号外を出したのだが・・・。

 沖縄紙が電子号外を出すとき、事件は幻に終わることが多い。

 例えば一昨年の「11万人」も幻だったし、昨年の「米兵女子中学生暴行事件」も結局は幻に終わったが、

 さて、今回は・・・。


2008年12月14日 電子号外 琉球新報

 【金武】13日午後7時半ごろ、金武町伊芸区に住む建設会社従業員の玉城陽一さん(25)から、自宅の駐車場に止めていた乗用車のナンバープレートに銃弾のようなものがめり込んで壊されているとの通報が警察にあった。石川署が調べたところ、銃弾のようなものは長さ約4・5センチ、直径約1センチで、字光式ナンバープレートの表部分を貫通、裏側のプレートで止まっていた。米軍キャンプ・ハンセンからの流弾の可能性があり県警が銃弾を鑑定するなど捜査している。同演習場から現場までの距離は、最短で約300メートル。
 玉城さんは13日午前7時ごろに、ナンバープレートに穴が開いているのを確認。何者かのいたずらかもしれないとみて、いったん仕事に向かい、帰宅後にナンバープレートを外して調べると、裏板の中に銃弾のようなものがめり込んでいた。
 一方、10日午後3時半ごろ、玉城さんの祖母・ミツさん(70)がこの駐車場で作業をしていた際、「バーン」という大きな音を聞いた。同時に車付近から白い煙が出ていたという。ミツさんは周囲を確認したが、ナンバープレートの破壊には気付かなかった。銃弾のようなものは、この時にめり込んだ可能性が高いとみられる。
 伊芸区(池原政文区長)では1988年に酒造所や沖縄自動車道サービスエリア、民家などでM16ライフル銃の弾頭9発が見つかるなど、復帰後も多くの流弾事故が発生。同区では14日午後、緊急行政委員会を開き、委員が現場を確認したほか、地域住民にほかにも流弾がないかどうか呼び掛ける。金武町の儀武剛町長は「強い憤りを感じる。けが人が出なかったのは奇跡的だ。事実確認が先決だが、区の反応を見ながら町民大会の開催を決めたい」と話した。

 沖縄タイムス記事は消去されるので、琉球新報記事から「流れ弾被弾事件」をほんの一部を拾っただけでも以下の通りだ。
実弾訓練場撤去を 伊芸被弾事件(2009.3.4)
事件解明を要求 金武町伊芸被弾、区民ら400人決起(2009.3.2)
「訓練の弾」に疑義 メア氏、米軍発射を否定(2009.2.26)

2009年2月7日 琉球新報

伊芸被弾事件 良き隣人の誠意と挙証責任 2009年2月7日

 昨年末に金武町で見つかった「銃弾」は、米軍が使用している「M33普通弾」の弾芯と判明した。
 1カ月余をかけた県警の鑑定結果は、「やっぱり」である。
 金武町伊芸の民家駐車場で車両が被弾したのは、昨年12月10日午後3時ごろだ。
 銃弾は車のナンバープレートから発見された。同時刻に「バーン」という爆裂音。車付近から上がる白煙も目撃されている。駐車場入り口付近には跳弾の跡。そして、同日も含め、12月8日から14日の間、キャンプ・ハンセン内での実弾射撃訓練を実施。これが発見段階での「状況」証拠である。
 「米軍の可能性が極めて高い」にもかかわらず、県の仲井真弘多知事は米軍に抗議もせず、演習の中止要請もしなかった。
 理由は「原因がある程度推測できないとコメントはきつい。県警が調べているのでひと呼吸待ちたい」。
 これが138万県民の命を預かる知事のコメントだった。(略)

 米軍がらみの事件でいえば、容疑者を県警が捜査できず、米軍の捜査でウヤムヤにされてしまうといった印象を受けるが事実ではない。
 昨年の「米兵女子中学生暴行事件」も「比女性暴行事件」も当初は県警が捜査したが証拠不十分で不起訴処分になっている。
 それで米軍の軍法会議で強姦罪以外の「買春罪」などで政治的に処罰している。
 今回の流れ弾事件も、同じような流れになりつつある。
 つまりこうだ。
 ①沖縄紙が号外などを出して大々的キャンペーン記事で県民を扇動する。
 ②扇動に乗った県内各議会が抗議決議。
 ③県警の捜査の結果、マスコミの望む結果が出ず、不起訴となる。
 ④軍法会議に移送して別件で処罰。

 今回の流れ弾事件は、県警の捜査の結果がマスコミの望まぬ結果になったので、米軍の調査の結果を待ったが、その最終結果もマスコミにとっては思わしくない。
 それで米本国の専門調査弾に調査を依頼しその結果を待つことにしたのだが・・・。
 それに、どう考えても、轢き逃げ事件より民家への「実弾被弾事件」の方が記縄タイムスにとってはオイシイはずなのだが。

続く