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疑惑の弾痕②-金武町流弾事件

2009-04-08 07:38

 今朝(8日)の沖縄タイムス朝刊社会面トップは外人車両によるひき逃げ事件がトップを飾り石川書が容疑者に事情聴取した報じている。
 ひき逃げ事件は犯人が外人、日本人に関わらず悪質な事件であり、早急に解決して欲しいのは言うまでも無いが、米軍の民家への流れ弾被弾事件より、マスコミにとって重大な事件なのか。
 「流れ弾事件」は本日の紙面からも消えたままである。
 流れ弾事件は、当初県警が調査して米軍の銃弾と判明し、以後軍の調査班が調べ、更に米本国より専門の調査団が調査した結果、このような最終結果となった。

2009年04月01日 沖縄タイムス ⇒米軍「訓練と関連なし」 金武流弾で最終見解 ※リンク切れ

 そもそもM2重機関銃から発射された50口径弾は装甲車をぶち抜くという。 それが民間車両のナンバープレートを木っ端微塵にしたのならともかく、突き刺さっていたという事実はいかにも不自然だ。
 流鏑馬じゃあるまいし、突き刺さるはないだろう。
 それに目撃証言にも矛盾があるという。

2009年4月2日 琉球新報 伊芸被弾事件「訓練と日時一致せず」 目撃者証言と矛盾も

 在沖米海兵隊は1日、2008年12月の金武町伊芸被弾事件で独自調査を終え、結果概要を発表した。「最近の訓練とは関係ないとの結論に至った。すべての実弾訓練は安全基準をすべて順守している。被害者が示した事件日時と実弾訓練実施日時とは一致しない」と発見銃弾と米軍訓練の関係をあらためて否定した。同日、県警に報告書を提出、県と沖縄防衛局、外務省沖縄事務所に概要を報告した。報告書自体は公表していない。
 発表では、12月9日と10日、恩納村内の米軍キャンプ・ハンセン内レンジ(射撃場)7で、伊芸区で見つかったものと同じ50口径弾を、車両の上に載せたM2重機関銃で8000発発射したことを明らかにした。
 石川署の報告書を参照し、銃弾が見つかった民間車両が車庫に駐車したのは、訓練が終わった後だとして、訓練との関連を否定。しかし、目撃者は10日に着弾らしき音を聞いたときには車両は既に駐車していたと証言しており、海兵隊報告と食い違っている。米側は詳細な訓練終了時間は明らかにしていない。
 発表では米本国からの専門家による解析の結果、訓練場から伊芸区方向に銃弾が流れ飛ぶ確率は、統計学的に極めて低いとしている。

 ところが沖縄タイムスに限ってみても、関連報道は4月2日の朝刊一面と社会面で派手に報じて以来急に腰が引けてくる。

2009年4月2日 沖縄タイムス 訓練との関連否定 金武流弾事件/米軍最終報告「証拠みつからず」 ※リンク切れ

 金武町伊芸区で昨年12月13日、乗用車のナンバープレートに銃弾の金属片が突き刺さっていた事件で、在沖米海兵隊は1日、「訓練場から発砲された証拠が見つからなかった」として、最近の訓練との関連性をあらためて否定する最終報告をまとめ、調査を終了した。一方、県警は事件の解明に向け、引き続き捜査を行う考え。金武町議会は2日、米軍基地問題対策調査特別委員会を開き、今後の対応を協議する。

 これまでの県警の鑑定では、金属片は米軍が使用する50口径通常弾「M33BALL」の弾芯と同種であることが判明している。

 海兵隊によると、今年1月末に来沖した訓練教育司令部所属の弾道専門家の解析調査で、50口径弾がキャンプ・ハンセンから伊芸区の方向に流れ出ることは、「統計学的にも確率が極めて低い」とされたという。

 また、昨年12月9、10の両日に実施された部隊訓練で、7トントラックの砲塔に搭載したM2機関銃から8000発の50口径弾が発砲されたとしたが、乗用車が事件現場に駐車されたのは訓練終了以降となっていることから、「訓練とは関連がない」と結論付けた。

 儀武剛金武町長は「大変残念で強い憤りを感じる。このままうやむやにさせてはいけない。町としても出来る限り対応したい」と話した。池原政文伊芸区長は「予想通りの内容。訓練を継続したいがための言い訳にすぎない」と指摘。

 仲井真弘多知事は「米軍が現に使っている同種の弾なので、納得しにくい感がある」とコメントした。

 そして4月3日のタイムス朝刊の記事は急に小さなベタ記事になる。
 二面の小さなベタ記事の見出しはこれ。(ウェブ記事はない)

流弾事件対応で軍特委協議会継続

金武町抗議の声も

 そしてそれ以降紙面からは完全に消えてしまった。
 これまでの沖縄紙の行動パターンなら、米軍との関連否定に対して更に怒りをエスカレートさせ、連日派手なキャンペー記事を掲載し、各市町村議会の決議、県議会決議そして抗議の県民大会開催と突っ走るのが通常だ。
 それが今回のように報道が尻つぼみになるのは不可解だ。
 理由は何なのか。
 手元に断言できる資料は持ち合わせていないが、沖縄紙の行動パターンから推測すると、「米軍犯人説」に地元紙自身が疑念を持ち始めたのではないか。
»儀武剛金武町長は「大変残念で強い憤りを感じる。このままうやむやにさせてはいけない。」
 儀武剛金武町長の意見に大賛成である。
 ことは銃弾が民家を直撃するという県民の生命に関わる重大事件だ。
 原因・犯人が不明のままウヤムヤにされては困る。
 是非とも金武町会議の抗議決議に続いて、各市町村会議そして県議会決議、更には全県民に呼びかけて、「県民大会」でも開催して欲しい。

伊芸被弾 金武町議会が「無関係」報告に抗議決議へ(2009.4.4 琉球新報)

そして、「訓練以外なら何が原因か」、ここのところを是非究明して欲しい。

伊芸被弾事件 訓練以外なら何が原因か(2009.2.13 琉球新報)

 そう、流れ弾が「訓練以外」なら、米軍がわざわざ米軍に嫌疑をかけるため、民間車両のナンバープレートに米軍使用の銃弾を「突き刺した」とは考え難い。
 だとすると、米軍の訓練に反対する基地外勢力の仕業と考えるのが妥当だろう。
 プロ市民側は米軍に「挙証責任」があるというが、通常「○○がやった」という証明はできても「○○がやっていない」と証明することは困難である。
 いわゆる「悪魔の証明」だ。
 むしろこれまでキャンペーン記事で県民を扇動してきた沖縄タイムスや琉球新報こそ挙証責任があるのではないか。
 沖縄タイムスは4月3日以降、突然この事件の報道から手を引くが、琉球新報はこのように報じている。

伊芸被弾 金武町議会が「無関係」報告に抗議決議へ(2009.4.4 琉球新報)

 金武町議会決議だけで、このまま抗議の県民大会もせず、米軍の調査結果のままで尻つぼみになったら、それこそ、朝日新聞の「珊瑚に落書き」の故事にならって沖縄タイムス記者の誰かが密かにナンバープレートに銃弾の細工をしたと疑われても仕方ないだろう。
 そのような嫌疑をかけられたくないなら、流れ弾事件を捏造した「工作員」を突き止めて氏名を公表する義務がある。
 あれほど米軍が犯人だと連続で県民を煽った罪滅ぼしに。
 再度いうがこの事件をうやむやにしてはいけない。

事件解明を要求 金武町伊芸被弾、区民ら400人決起(2009.3.2 琉球新報)

「訓練の弾」に疑義 メア氏、米軍発射を否定(2009.2.2 琉球新報)

県警「立件は困難」 伊芸被弾事件(2009.2.19 琉球新報) ※リンク切れ