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県警のミスをかばう沖縄タイムス

2010-03-24 07:32

 ◼県警の捜査ミスをかばう沖縄タイムス◼
  昨日の参議院外務委員会で質問に立った沖縄選出の民主党議員の喜納昌吉県連会長は、「普天間移設」に関連して、先日辺野古で起きた「酒気米兵ひき逃げ事件」関連のを質疑をした。
 その際、マスコミの「ひき逃げ事件」という誇大表現に逆らって『当て逃げ事件』と表現した。
全国に放映されているカメラを意識し、追突事故を「ひき逃げ」としたら国語能力を疑われるとでも思ったのだろうか。(笑)
 ちなみに喜納議員はヒット曲「花」、「ハイサイおじさん」の作者である。
 今朝の沖縄タイムスは容疑者の米兵(女性)が容疑を否認していることを報じているが、その割には及び腰の記事である。
 「米兵」「酒気」「ひき逃げ」「否認」と沖縄紙が喜ぶキーワードが四つも揃えば、通常は一面と社会のトップを飾ることが必定なのだが、なぜか社会面のトップは「那覇議会 費用弁償ゼロー財政事情に配慮」と地味なテーマが大見出し。
 「ひき逃げ」に関しては、その陰に隠れるように、「拘束時 米兵が否認」の見出しである。
 現場に駆けつけた名護署幹部が米軍車両から15m先に現れた私服姿の米兵を確認していながら見逃した経緯を、同幹部の言葉を借りてこう釈明している。
 「軍の厳しい車両管理のもと、私服、一般人が運転するとは想わなかった」と。
 明らかな捜査ミスだが、沖縄タイムスは「地位協定の壁」を臭わす表現で県警の責任をうやむやにしている。
 県警と沖縄紙の共同謀議ともとれる曖昧な記事だが、昨日の県議会では「ひき逃げ」に議論が集中し、遂に県警側も捜査ミスを認めている。これについては地元テレビが報道しているので後述する。(沖縄タイムスは「不都合な真実」はおそらく報道しないであろう)

 なお喜納議員の質疑については涼太さんがリンクしてくださっているので紹介します。

 ◆涼太さん
 民主党政権は事実上、下地議員の辺野古陸上案と、太田会長の勝連沖案の2案でアメリカと交渉するのでしょう。
 今日の参議院テレビの喜納昌吉議員の質問で、それが理解できました。喜納昌吉議員は
 1、民主党県連の会長は自分だから、下地議員とだけ話するのは、おかしい。
 2、必ずしも2案に拘る必要はないのではないか。
 と発言しています。自分の頭越しに事が進んでいくのが、よほど面白くないみたいです。
 最近の「うるの会」の内紛もうなづけます。
 万策尽きた民主党は、結局地元の実力者2氏に、解決の道を委ねたようです。

 参議院テレビ予算委員会
 喜納昌吉議員の質問は3時間10分当たりです。  ⇒ http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php※参議院の審議中継については第172回国会(2009年9月) より各国会ごとに会期の終了日から1年間のみの公開となっているため、当時の該当委員会の審議については見ることはできません。

 ◼「ひき逃げ事件」・・・やはり県警の初動捜査ミス◼
 昨日のローカルテレビ「QAB琉球朝日」は、「県警の北川交通部長は、警察官は事故を起こしたのが米軍車両であったため、運転手は軍服姿だとの先入観があり、私服姿であった兵士の身柄確保が遅れたと答弁しました」と報道した。

QAB琉球朝日

2010年03月23日 QAB琉球朝日 ⇒県議会軍特委 ひき逃げ事件で県警に質疑集 ※リンク切れ

 3月16日に名護市で発生した、アメリカ海軍の兵士が米軍車両で乗用車に追突、親子3人にけがをさせ逃走した事件で、身柄確保が出来なかった県警に対する質疑が集中しました。 県議会は23日に米軍基地関... 続きを見る ※リンク切れ

 当日記が指摘した通り、県警の初動捜査のミスである。
 県警は当初の発表を翻し、「地位協定の壁」を主張していたが、基地外で犯人に接触していながらこれを見逃し、米憲兵に逮捕を先を越されてたのは紛れもない事実で、弁明に整合性を欠いていた。

 県警が事故の捜査ミスを棚上げして、「地位協定の壁」に責任転嫁した疑惑は、一昨日の当日記『続・「疑惑の弾痕!「金武町流弾事件」』(3月21日)で既に指摘してある。

 参考までに該当部分を以下に引用する。

 ◼基地外の事件の捜査権◼
 基地外の事件を「地位協定の壁」にしてしまう例は他にもある。
 これらはほとんどが県警の初動捜査のミスに起因する。
 数日前の「米兵追突事故」も初動捜査の段階で容疑者を見逃していながら、米軍側に先に容疑者の身柄を確保され、又しても「地位協定の壁」云々を主張している。
 県警側は初動捜査に関して後日、前言を翻しているが、いずれにせよ県警が「事件」の容疑者と知った時は、既に米軍側に先を越されていたのではないか。
 県警は当初容疑者も確認していながら見逃していたと初動捜査のミスを指摘されていた。ところが3月20日のタイムス記事によると、その後一変して「地位協定の壁」が捜査を妨げたと前言を撤回している。

 同記事によると、県警の吉永安彦交通指導課長は「3等兵曹がひき逃げに関与していると知ったときは、米軍がすでに身柄を確保し、憲兵隊のパトカーの中にいた。この状況では(地位協定上)連れ出すことはできなかった」と説明している。
 これでは米兵に初動捜査で先を越されたといわれても仕方がない。
 被害者が「アメリカーにやられた」と叫んでいるのに、県警は、軍車両の運転手が私服の女性だったため、「軍服の米兵」という固定観念に邪魔されて、容疑者を見逃したのではないか。
 基地の外で起きた「当て逃げ事故」の犯人逮捕を米軍に先を越され、「この状況では(地位協定上)連れ出すことはできなかった」と言い訳するのでは、責任逃れとも受け取れかねない。
(沖縄タイムス3月20日)※リンク切れ

 次に引用は三カ月前の記事だが、同じく 「地位協定の壁」について県議会で討議している割には記事が逃げ腰なのは、事件がねつ造クサイと感じているからではないのか。
 そこで又しても「地位協定の壁」に逃げこもうとしているのではないか

琉球新報

2009年12月17日 琉球新報 ⇒地位協定、捜査の障害 金武町被弾事件で県警

 県議会11月定例会は16日、米軍基地関係、沖縄振興・那覇空港整備促進、観光振興・新石垣空港建設促進の3特別委員会を開いた。軍特委では、金武町伊芸区被弾事件について仲宗根孝県警刑事部長は「米軍基地は制約があり、時間がかかったことは否めない事実だ」と述べ、日米地位協定の壁に不満を示した。

 【軍特委】
 米軍基地関係特別委(渡嘉敷喜代子委員長)は請願1件、陳情26件を審議した。陳情はすべて継続審議とした。金武町伊芸区被弾事件について、仲宗根県警刑事部長は「米軍基地の捜査関係の立ち入りにはいろいろな制約があり、相手のあることなので時間がかかった。もどかしさは感じた。時間がかかったことは否めない事実だ」と述べ、日米地位協定が捜査の障害になっていることに不満を示した。新垣清涼氏(社大・結)に答えた。
 同被弾事件で、米軍演習の中止を求めるべきだとの指摘に対し、上原良幸知事公室長は「今回の捜査結果が、中止を求める要件に当たるかどうかの議論をしないといけない。中止を求めるのは検討を要する」と難色を示した。吉田勝広氏(無所属)に答えた。
 米軍普天間飛行場代替施設の環境影響評価(アセスメント)に関するジュゴンの複数年調査について、金城康政環境企画統括監は「アセス調査以外に、文献資料という形で取り組むことができる。調査と既存資料1年分と合わせて、複数年やったと見なすことができる」と述べた。照屋大河氏(社民・護憲)への答弁。

 【沖縄振興委】
 沖縄振興・那覇空港整備促進委(当銘勝雄委員長)で川上好久企画部長は、10月26日から開始した全日本空輸(ANA)の国際貨物基地事業の11月末までの実績について、取扱貨物量が約1万2000トン、搭載率65%と報告した。
 川上部長は、那覇空港の1日当たりの平均発着回数について、民間航空機と自衛隊機を合わせて362回と説明。発着回数370~380回が処理能力とされる那覇空港は「非常に過密な状況になりつつある」と指摘し、那覇空港の増設滑走路予算の確保のため、引き続き国に働き掛ける考えを強調した。

 【観光振興委】
 観光振興・新石垣空港建設促進特別委(比嘉京子委員長)は、石垣市市街地から新石垣空港に向かうアクセス道路について土木建築部は2010年度に事業を始め、16年度に完成予定だと説明した。総事業費は約81億円。10年度は調査・測量費として約1億円を国に要望している。
 仲田文昭土建部長は10年度の事業開始について「政府が選択と集中という予算編成方針を示しており、見通しは厳しい。なんとか事業化したい」と述べた。
 現在、同空港の用地取得率は99・9%。未取得の土地については収用手続きが進められており、2月に公開審理が行われる。ターミナルビルは12年完成、空港は13年開港を目指している。

 昨年12月の県議会の模様を伝える琉球新報記事だが、実に不思議な県議会の成り行きである。
 丁度その一年前、沖縄二紙が号外まで発行し、一年を通して抗議のキャンペーンを張ってた「米軍流弾事件」をウヤムヤにしようとする県警と、それを是認するような与野党議員。
 現地の金武町議会では抗議決議を議決をした「事件」を県警側の「地位協定の壁」の一言で簡単に終息させようとする魂胆が見え見えではないか。
 本来であったら、県議会でも抗議の「議会決議」を採択し、「県民大会」にまで発展してもおかしくない重大事件のはずだ。
 仮に米軍側が「事件」の非を悔いて謝罪をし、それ相応の補償をしていたとしても、この種の事件なら「米軍基地撤廃をしなければ再発する」として、断固抗議を続行するのが従来の「民意」ではなかったのか。
 実際は、それどころか、米軍側は「事件は米軍に非はない」と主張し、「被弾痕は第三者が工作したものであり、目撃証人の証言も虚偽である」と、県警発表を真っ向から否定しているではないか。
 県議会が県警の「地位協定の壁」という責任転嫁を真に受け、「抗議決議」もせずに県警と協調して事件をウヤムヤにしようとしているとしか思えない。
 地元二紙の報道姿勢も不可解だ。
 米軍側の一次調査団の報告の時までは、「隣に実弾訓練所があるのに、米軍が犯人でなければ誰が犯人なのか」といった感情論で、連日のように米軍を糾弾するキャンペーンを張っていた。
 ところが米国本土から専門の調査団が来県し、二度目のの米軍側調査の結果を発表して以来、急にトーンダウンをし始めた。
 その辺の経緯は、当日記でも何度も疑念を呈している。
 そして年末の報道が上記引用の気の抜けたような報道だ。
 結局「事件」は国会における「政治決着」でウヤムヤのまま「迷宮入り」という形で決着した。
 「地位協定の壁」という便利な言葉を利用して。
 これで一番ホッとしたのは、事実誤認をした県警と、それを鵜呑みにした県民を扇動した地元メディアではないのか。
 特に県警と沖縄タイムス、琉球新報は「地位協定の壁」という言葉が、魔法の「免罪符」になることで感謝したであろう。

 読者のパパスさんのこの事件に関するコメントを紹介しよう。

 初めまして狼魔人様、パパスといいます。
 この事件、私は捏造だと考えてます。
 実は現場を見に行きました。被弾した車はありましたがナンバーは外されてました。
 見てビックリ!射撃場のレンジ7の方角には、な、なんと2階建ての家があるじゃないですか!それもその距離約10m以内にですよ。
迫撃砲みたいな放物線じゃなければ向かいの家は越えれません。
よしんば(笑)越えたとして、あの角度じゃあ、車庫のコンクリートに着弾して威力は減ってしまい、ナンバーは貫通しないと思います。
米軍の弾道学の専門家が因果関係を否定している要因の一つだと思います。

 沖縄紙の不可解な報道姿勢で「金武町流弾事件」に「ウソ臭い」と感じた県民は筆者の周辺にも多数いる。
 だが、パパスさんのように「現場検証」までした人はさすがにいない。
 パパスさん、お見事!

 「地位協定の壁」は、
 新聞の勇み足による誤報も、
 県警の捜査ミスも、
 全てを解決してくれる便利な魔法の壁ではない!
 沖縄紙と沖縄県警はしばしばタッグを組んで、己の不始末を「地位協定の壁」に塗りこめ、隠蔽を謀る・・・
 エドガーアランポーの「黒猫」のように。

 だが、読者はそれほどバカではない。
 天網恢恢疎にして漏らさず、
 天知る、
 地知る、
 読者知る!