流弾事件は民間住宅地で起きた②
2009-10-09 07:56
今朝の沖縄タイムス社会面の最下段に「強姦致傷で起訴」という見出しの目立たない小さな記事がある。
記事によると、9月16日、那覇市の中学教諭が被害者女性宅の玄関先で顔にスプレーを吹きかけ女性宅へ引きずり込んで犯行に及ぶという極めて悪質な犯罪。
容疑者が中学教諭であり起訴されたということでベタ記事ながら報道しているが、読者の中でこの事件を知っているものが果たして何人いるだろうか。
一方では米兵がらみの事件となると「買春」でも、「ナンパのトラブル」でも、連日一面トップで「米兵強姦魔」を」糾弾するキャンペーンを張る沖縄紙。
おかげで新聞の見出しを真実と信じる沖縄の「女性知識人」達がグアムの国際女性会議まで出かけて、宮城晴美女史(女性史研究家)などは「沖縄は米兵の強姦魔が徘徊する島」といったウソの情報を世界中に発信している。
⇒ 世界に飛び出すウソのニュース! 国際女性会議inグアム ※狼魔人日記のリンクです。
二人の不良米兵を擁護する気はさらさらないが、彼らが「強姦魔」だとしたら自宅の玄関先でスプレーを顔面に噴き付け、家に引きずり込んで暴行に及ぶ那覇の中学教諭は「強姦魔」ではなく一体何と呼べばよいのだ。
強姦魔王? いや、王の上の大をつけて強姦大魔王でも足りないくらいだ。
女性識者の皆さん、国際女性会議で沖縄の「米兵の強姦魔」を糾弾するなら、沖縄の「強姦大魔王」のことを論じなければ「大魔王」様に礼を失することになりますよ。
沖縄紙の疑惑の報道について、「金武村流弾事件」についてしつこく述べてきたが沖縄タイムスが社説を書いた。
事件は去年の12月に起きた。
知らせを受けた県警が初動捜査を開始、流弾を米軍実弾訓練所から飛来したものと断定した。
2009年10月08日 沖縄タイムス ⇒沖縄タイムス 2009年10月08日 社説 【10月08日】 ※リンク切れ
真相究明はまだ道半ば
「金武流弾事件」「県警、基地内立ち入りへ」「関係者も聴取」―7日付本紙1面の見出しを読んで、多くの読者は一瞬、首をかしげたのではないだろうか。
金武町伊芸区で起きた流弾事件に関連して県警の黒木慶英本部長は、県議会で、基地内への立ち入り調査と訓練関係者の事情聴取を実施する方向で米軍と調整していることを明らかにした。そういう内容の記事である。
最近の事件ではない。昨年12月に起きた流弾事件の話なのだ。
事件発生から10カ月たつというのに、今もって立ち入り調査も事情聴取も実現していないというのは、異常というしかない。通常の捜査ではあり得ないことだ。
立ち入り調査や事情聴取が実現すれば一歩前進には違いないが、まだ「米軍と調整中」の段階で、時期が決まったわけではない。
仮に実施されたとしても、事件発生からすでに10カ月も経過しているのである。現時点での立ち入り調査や事情聴取が、果たして真相究明にどれだけ役立つのか。
「遅すぎた前進だ。今、認めるのなら、なぜ事件直後にできなかったのか。区民の精神的苦痛はあまりに大きい」と伊芸区の池原政文区長は米軍への不信感を隠さない(7日付本紙)。
在沖米海兵隊は4月、訓練との関連を全面否定する最終報告を明らかにしている。だが、最終報告書には重大な「ほころび」があり、うのみにするわけにはいかない。
昨年12月10日午後、金武町伊芸区の民家の敷地内で、パーンという音がして振り返ったら、白煙が上がっているのを、家人が目撃した。
3日後の13日午後、その家の乗用車の前部ナンバープレートに銃弾の金属片が突き刺さっているのを見つけ通報したことから事件が発覚した。金属片は、米軍が使用する50口径通常弾「M33BALL」の弾芯と同じ種類だったことが明らかになっている。
最終報告書は、事件が12月11日に発生したことを前提に論理を組み立てている。11日には実射訓練を行っていない。だから、事件には関与していない―というわけだ。
だが、県警の調査で事件の発生日が10日であることが明らかになっており、その日に実射訓練があったことも分かっている。米軍もその後、事件発生日に対する認識をあらためた、という。だが、最終報告を撤回したわけではない。事件は依然として謎に包まれたままだ。
事件は決して幻ではない。パーンという音がして白煙が上がったという目撃証言は重い。県警は、あらゆる手を尽くして真相究明を進めてもらいたい。
なぜ、立ち入り調査や事情聴取が実現しないのか。鳩山新政権は日米地位協定の問題点を洗い直し、政権公約である協定見直しにつなげるべきである。今ごろ県議会で、立ち入り調査だの事情聴取だの、ちぐはぐな質疑が交わされること自体、主権国家の体をなしていないと言わなければならない。
読者が十ヶ月も前の事件の詳細は覚えていないだろうというタイムスの驕りが「多くの読者は一瞬、首をかしげたのではないだろうか」という冒頭の文に垣間見える。
確かに多くの読者は「何で今頃」と思うだろうが、社説はそこにつけ込んで、あたかも米軍側の捜査妨害にあって十ヶ月もの間事件が曖昧にされているといったタイムスお得意の印象操作記事である。
何度もくり返すが事件は民間住宅地で起きており、基地内で起きたわけではない。
しかも現場検証、証拠物件の押収等初動捜査は県警が行い、早々に犯行は米軍だとの結論を出した。
ところが県警の連絡を受けた米軍の調査団も調査を開始し、「流弾は米軍が発射したものではない」と県警発表と真っ向から対立した。
問題は簡単だ。
被弾を受けた自家用車が被弾した車庫に駐車していた時間が、県警と米軍の調査では一日の誤差があり、その一日のアリバイの差が判断の違いに繋がったわけだ。
» 昨年12月10日午後、金武町伊芸区の民家の敷地内で、パーンという音がして振り返ったら、白煙が上がっているのを、家人が目撃した。
事件発生日は、両者の主張によるとこうなる。
◼県警 ⇒ 12月10日 午後3時ごろ
◼米軍 ⇒ 12月11日 午後4時ごろ
米軍は県警の報告を基にしながらも、独自の調査で問題の乗用車が事件現場の車庫に駐車していた時間を、次のように特定している。
駐車時間⇒11日午前零時から13日午前7時30分まで
事件発生(被害者が大きな音を確認)⇒11日午後4時ごろ
米軍がこのように具体的にアリバイ調査の結果を発表しているのに対し、県警も含めてこれに客観的に反論している事実はない。
県警によると、被害者らの情報などから捜査の初期段階で発生日時を10日と特定しているが、たった一人の目撃証言を鵜呑みにして初期の裏付け捜査を怠ったのではないのか。
事件発覚後、米軍に発生日時を随時伝えていたというが、これに対して米軍は証言を鵜呑みにしないで裏付け調査をして、最終調査報告で「事件発生は訓練終了以降の11日」との結論に到ったのではないか。
米軍が目撃者は一人しかいないと事実上の名指しをされている玉城さんは、事実上「嘘つき」と言われたことに憤りを示しているし、儀武剛金武町長も「納得できるまで説明を求めていく」といっている。
にもかかわらず、その後沈黙を護っているのは結局納得したと言うことなのか。
2009年04月10日 沖縄タイムス ⇒ 発生日に食い違い 流弾事件/再三通報 県警10日→米軍11日【04月10日】 ※リンク切れ
⇒ウソつきは誰だ!疑惑の銃弾 メア総領事とコーヒー
⇒「米軍vs県警」疑惑の銃弾大戦争勃発!発生日に食い違い
複雑そうに見えて問題は簡単だ。
目撃者の証言が正しいか、それともウソだったかと言うことにもなる。
» なぜ、立ち入り調査や事情聴取が実現しないのか
タイムス社説は事件を曖昧にしょうとして、基地内の立ち入り調査を問題視しているが、問題解明には意見の分かれる「駐車時間」のアリバイ調査が最重要ではないのか。
基地内に立ち入り調査せずとも問題の車が現場に駐車する前の時間帯(11日午前零時以前どこに駐車していたか)を時系列で追っていけば複数の証言者も出てくるだろうし、県警、米軍、どちらが正しいか容易に解明できたはず。
民間住宅地で起きてこれだけマスコミが騒いだ事件なら、県警の調査を待つまでもなく沖縄タイムスでも聞き取り調査は出来たはずだ。
それを十ヶ月も経過して「基地内立ち入り調査」しても一体何の意味があるというのか。
そうそう、一つ書き漏らしたが、社説では何故か触れていないが唯一人の目撃者(車の所有者の祖母)である最重要証人は既に亡くなっているとのこと。
これでは正に死人に口なしで、真相は藪の中という可能性もある。
本件は国会で日米間で「政治決着」をつけたが、あれだけ騒いだマスコミとしては無意味な「立ち入り調査」でもして、「事件」をうやむやにしたまま、「地位協定」の嘆き節で幕を閉じたいのが社説の真意だろう。